◆舌がきれいになるとお茶の美味しさが分かります ◆

◆歯科衛生士事務所「ピュアとやま」代表/芸人おんなきよまろ 精田紀代美

 朝起きた時の口の中にはばい菌がいっぱいいます。特に多いのが歯周病菌です。歯周病菌は、歯を磨くとほとんどいなくなります。

でも、それで口の中がきれいになったわけではありません。歯磨きでも取れないところに隠れている歯周病菌がいます。どこに隠れているかというと、舌のヒダです。

普段、歯周病菌は胃の中に棲んでいますが、夜寝ている間に胃から上がってきて、舌の奥のところに棲みつくんです。

 だから、朝起きたらまず舌の掃除をして歯周病菌を排除しないといけないんです。金さん銀さんは、朝起きた時、仏様にお参りする前にこれをやっておられたんですね。この「舌を掃除する」という生活習慣は戦前まで日本にずっと根付いていました。



 では、舌の掃除をする時に大事なポイントを言います。まず歯ブラシでしてはいけません。歯ブラシはナイロンという石油製品なので、それで舌を擦ると「味蕾(みらい)」が傷付くんです。

 「味蕾」とは、食べ物の味を感じる小さな器官で、人間の舌には約1万個あるといわれています。この味を司るセンサーが駄目になるんです。

 私は、この仕事を始めるにあたり、いろんなタン(舌)クリーナーを試してみたんですが、一番安全で、長持ちして、値段がお手頃で、よく取れるのがシリコンでした。シリコン製のタンクリーナーのブツブツザラザラのところにちょうど舌のヒダが当たるようになっています。これで落とすと、すごくよく落ちます。

舌にはいろんなものが付いています。たとえばカビの一種で、カンジダ菌という菌がいます。

 それから、舌の表面にはヌルッとしたものが付いています。これは歯周病菌のお布団です。ここにいっぱい歯周病菌がたむろしています。

 以前、NHKがこのことを番組で取り上げていて、「朝起きてすぐタンクリーナーで舌の掃除をすると、寝ていた時に舌まで上がってきた細菌が80%落ちる」と言ってました。



 ただ80%と言われても、ピンとこなかったので、私なりに舌がきれいになったかどうか、確かめる方法はないかなと考えました。

 一番いいのはお茶を飲んで渋味が分かるかどうか、です。舌がきれいになっていると、お茶の渋味が歴然と分かるようになります。

 渋味を感じ取るのは舌の一番奥にある味蕾細胞です。ここに細菌が棲みついていると渋味が分からなくなるんですね。

 「爽健美茶」でも「おーいお茶」でもそうですが、本当に美味しいお茶は、必ず後味に渋味が出てきます。タンクリーナーで掃除した後、飲んでみてください。



(みやざき中央新聞より)

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